仕事にせよプライベートにせよ、ライティング、つまり文章を書くという機会は誰にでもありますが、誰かに何かを伝えるためには欠かせないスキルです。ただ、あなたの場合は小説のような文章を作る技術よりも、自社商品の特徴や強みをいかにして的確に相手に伝わる方法のほうが、より身につけたいとお考えのスキルでしょう。
今回は、その伝えたいと思う内容のまとめかたと、どのようにして表現を作り出すべきかを解説します。ただし100%正解ということはありません。あくまでもセオリーとして認識していただき、あなたらしさを加えて、独自のライティング技術を身につけるようにしたほうが効果的でしょう。
- 自分の伝えたいことを正確に伝えられるようになる
- より確実に相手に伝わる文章を書けるようになる
- 印象に残る言葉を書けるようになる
良い文と悪い文にはどんな違いがあるのか
手順に入る前に、まずは良い文と悪い文では何が違うのかを考えてみましょう。
(一般的に)私たちは日本語が通用語であり、小さい頃から親しんでいるので特に何も意識しなくても話したり書いたりすることができます。いろいろなメディアから入る言葉や文章、教育機関などインプットするためのチャンネルは非常に多くあります。
しかし逆に伝える側の立場になると、どのようにして伝えたいことをまとめ、どのように表現すべきかを教えてくれるチャンネルは多くありません。だからあなたもライティングに苦労をしているのではないでしょうか。
では、実際に良い文と悪い文では具体的にどんなところが違うのでしょうか。
結論を見失う
一番多いパターンとしては、文章が進むうちに最終的に何が言いたいのか自分でもわからなくなっているということがあると思います。
書き出しでは伝えたい事がはっきりしていたのに、結論に導くための話の挿入が別の結論も含めてしまい、最終的に複数の伝えたい内容が混じり、結果何が伝えたいのかわからない文章ができあがるというパターンです。もしくは最初から何を伝えたいのか意識せずに書き出すことで、最後まで意味を持たない文章が完成するということもあります。
結論が複数になる
次に多いパターンは、伝えたい内容が多岐に渡り、それをまとめきれずに文章を作り出すことで最終的に何を一番に言いたいのかわからなくなる、もしくは相手が理解できないパターンです。
自社商品やサービスを愛しており、深く理解している人ほどこのケースが多く見受けられます。つまり、あれもこれもと伝えたい事がたくさんあるというパターンですね。商品愛や理解は非常に素晴らしいことだと思いますし、今後もそのモチベーションを維持していただきたいと思いますが、人間が一度に情報を処理できる量は想像以上に少ないものですし、ましてや相手が興味を持って聞いているかどうかもわかりません。そのような状態で、あれもこれもと一方的に伝えることをしてしまえば、相手は拒否反応を起こし情報の処理を停止してしまうので、結果的に伝わらないということになるわけです。
では、どのようにして伝えたい内容をまとめるべきなのでしょうか。今回は3つの手順に沿って進めていきたいと思います。
良い文章を作り出す手順
手順1伝えたいことをまとめる
まずは伝えたいことを箇条書き、もしくは単語で書き出してみましょう。この段階ではとにかく多く書き出してみてください。少し外れた内容かなと思うものでも構いません。料理に例えると、使いたい食材を揃えてみるといったイメージでしょうか。
ひととおり書き出したら、関連性の高い項目を見つけ出し、ひとつのかたまりとして並べ替えをします。そのかたまりのひとつひとつに「○○のこと」などといった感じでタイトルをつけておくと、さらに良いですね。
最後に先ほどまとめた「かたまり」をよく見比べ、どれが一番伝えたいことかを見極め、その重要度順に番号をつけてください。ひとまずまとめの作業はこれで終了です。
手順2文章をつくる
実際に文章を作る段階に入りますが、先ほどの作業で作り出した一番重要なかたまりをあらためて見てみてください。おそらくその中でも一番伝えたいと思うことが含まれているでしょう。その一番伝えたいことを結論とするために、かたまりの中にある他の項目を道しるべとして使用してください。どのような流れが必要でしょうか?その流れを作り出すことを文章を作りだすよりも中心に考えてみてください。
ここでひとつ参考になるであろう理論をご紹介しておきます。それは「帰納法」と言われる法則で、必ずしも正しい結論を導きだせる手法というわけではありませんが、一定の道しるべになるでしょう。
帰納法とは2つ以上の事実を照合させることで、ひとつの結論に導くという法則です。
つまり、
【AはCである。BもCである。よってCは正しい】
という流れになりますが、具体例を出すと、
【この砂糖は甘い。あっちの砂糖も甘い。よって砂糖は甘いものである】
という結論を導きだすことができます。ただし、お気づきかもしれませんが例外も存在するため、あくまでもある程度正しいという範囲に留まります。その点にご注意ください。
帰納法とは対極の法則として演繹法(えんえきほう)がありますが、こちらは一般的なルールやセオリーから、ひとつの結論を導き出す法則です。しかし条件に主観が入ることで理論が破綻する可能性が高いため、文章を作ることに慣れていない状態では使用することをオススメしません。
手順3印象に残る文章にする
最後に印象に残る文章や言葉を作る段階になります。この手順を最後にしたのは、テクニックに頼ることで文章としての意味を無くさない、つまりあなたが一番伝えたい事が伝わるようにする為です。巷では印象に残す為のテクニックを紹介した資料がたくさんあります。とても参考になりますのでぜひ活用していただきたいのですが、あくまでもあなたがここまで積み重ねてきた基本をしっかり固めたうえで参考にしてください。
ちなみに、e-webが文章を作る時ですが、
- 結論は最初に伝える
- 読み手のメリットを明確にする
- どんな人が読み手なのかを意識する
- ひとつの文はできる限り短くする。長くなる時は区切る。
- 表記揺れ(※)を避ける
※表記ゆれ・・・・ひとつの意味の言葉を複数の言葉を使用して表現(表記)すること
といったことを意識しています。この中でも特に効果を感じるのが3番の「どんな読み手なのかを意識する」ということです。e-webの記事では「なぜターゲットを絞る必要があるのか?その理由3選」で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。この内容は文章の作り方だけに限らず、マーケティングにも非常に重要な要素ですので、必ずあなたの役に立ちます。ぜひご覧ください
総括
いかがでしたでしょうか。あなたは良い文章作成にはセンスが必要とお考えでしたでしょうか?しかし基本を抑えることで良い文章を書くことは充分可能であることがご理解いただけたのではないかと思います。基本を知ったからすぐに良い文章が書けるというわけではありませんが、何の知識もない状態から書き出すよりも格段に早く作れれるようになります。決してあきらめず、迷ったら基本に立ち返り、改善を繰り返してみてください。